PROJECT STAFF
「sonae 備絵」は実際に災害を経験したメンバーが企画し
プロジェクトを進めています
積み上がる汚物に衝撃──熊本地震の実体験が原動力
震源地である益城町の自宅で被災。自宅は一部損壊で余震が続いていたため、数日間車中泊をして過ごしました。
断水し、電気・ガスも使えなかったので、自衛隊の支援物資や給水車で支援をしていただきました。仮設トイレも設置までに数日かかる場合も多く、断水で公園の公衆トイレも流せない状態。便器は溢れ、床中に汚物が積みあがるほどでした。
幸い、早い段階で近くの避難所に仮設トイレが設置されましたが、トイレが使えないことを意識したことがなかったので、被災して初めて災害時のトイレ問題に気が付きました。
トイレに行きたくなったとき、『公園などの公衆トイレや仮設トイレなどで用を足せばいいか』などと浅はかに考えていましたが、大きな間違いです。
以前より「災害大国日本」と言われているにもかかわらず、現実には防災意識が低い人の方が多いように感じます。防災グッズを物置の奥にしまったままにしている人や、本当に必要なものが揃っていないことも多いのではないかと思います。皆さまにとって『sonae 備絵』が防災意識をもっていただくきっかけになればとても嬉しいです。
──「sonae備絵」商品企画部 リーダー 藤村彩央里
熊本地震で実家が全壊。災害への備えのアクションのハードルを下げたい
熊本地震においては、地元の御船町も被害が大きく、実家は全壊しました。
車中泊の数日間、近所のコミュニティの団結が強く、数世帯が集まって必要な食料や物資を共有しながら過ごしました。幸いにも屋外の汲み取り式トイレが使えましたが、水を流せないので水洗トイレしかない家庭だと大変ですよね。
災害への備えはハードルが高く、なかなか行動を起こせないものです。アクションのハードルを下げたいと思い、このプロジェクトに参画しています。生活に自然に溶け込み、気持ちがポジティブになるプロダクトを目指しています。
──クリエイティブディレクター 髙田尚弥
九州北部豪雨による水害で避難所へ家族も2階に取り残され、備えの大切さを実感
「ただいま!」。いつものように帰ることができなかった高校3年生のあの日。父が車で迎えに来てくれるも、川が氾濫し帰宅できず、そのまま避難所に向かいました。眠れない、不安な夜は忘れられません。
自宅の1階は土木流ですべて埋まり、2階に祖父母と妹が取り残されました。断水・停電し救助されたのは翌日。不安や恐怖、丸1日トイレを我慢せざるを得ず、大きなストレスがかかったそうです。
災害への「備え」が皆さんの安心へとつながり、癒しや笑顔のきっかけになれれば、と思っています。
──「sonae備絵」商品企画部 石井琴子